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亜脱臼してる(もしくはしちゃうから)腕は吊っておこう!って安直な発想がまじで無理って話。
2020.02.01
リハビリの現場の様子を
ブログで紹介しています。
リハビリのことが
少しでも伝わると嬉しいです。

時々思い出したかのように「死にたい」と呟くのだけど、これを「家で酒を呑んでどうでもいいテレビを見ながらだらだら寝て過ごしたい」という意で使用している田邊でっす。
本日のテーマは「亜脱臼してるから、腕は吊っておこう☆」って発想の人って何考えてんだろう?って内容のブログです。(この時点で不快な方は目を通さず、すうっと引き返してくださいね…)
回復期の患者さんに多くいらっしゃいますね。
私たち三人が回復期病院で働いていた時、自分の担当の患者さんもしくは利用者さんにほぼアームスリングを着けたことがないのです。
※勿論つけている人を担当したことはあります。また、身体状況(炎症や筋腱断裂の恐れがある場合)によっては種類を検討し装着することもあります。ただ、ごく稀です。
「何故つけないの?」とよく問われます。
聞かれると必ず「何故つけるの?」と問いたくなります。
実際に何人ものセラピストに質問をしたことがあります。
Q「なぜ腕を吊る必要があるの?」
A1「脱臼してるから。脱臼するのを防ぐため。」
A2「麻痺側上肢を管理できない(壁にぶつけたりする)から」
A3「歩行の時ぶら下がって邪魔だから」
さて、今回も一問一答形式で書いていきましょうかね。
Q「なぜ腕を吊る必要があるの?」
A1「脱臼してるから。もしくは脱臼を防ぐため」
→ねえ、、ちゃんと肩周辺の評価した…?よかったら、ちゃんと見て…?
腕吊ってる人って、結構な割合で「前方脱臼」してるわよ…?なんでって…そりゃあ、吊ってる状態が悪くてその位置にしちゃうんじゃないかしら…?
脱臼する人って肩関節周辺が低緊張の状態の人が多いわよね。だから、逆に変な位置で固定されちゃうと、脱臼肢位を助長しちゃうこともあるの。ちゃんと、評価して毎度管理して完璧に良い状態で肩関節をキメこんでくれてるのなら、良いと思うわよ…けど、10年くらい働いてきて今までそんなセラピストに出会ったことが無いの…
着けることは100歩譲って否定しないわよ…。けど、評価してからちゃんと見定めましょうよ。
そのスリング自体が脱臼を助長してる可能性があることから、目を逸らさないで。
Q「なぜ腕を吊る必要があるの?」
A2「麻痺側上肢を管理できない(壁にぶつけたりする)から」
→そこまで考えてんなら、なんでそこに介入しないの…?って返したら
「してますよ」って言われて、
「じゃあ、なんで着けてんのよ…?」って聞いたら、
「やっぱ良くならないんですよね」って。
んじゃあ、方針切り替えろやヴォケェエエ!?!?!?!?!?!?!?!!?
やだ、取り乱しちゃったわ…
けどね、ほんといつまで同じことしてんの…
ダメなら切り替えなさいよ…
むしろ管理できてないのは、あなたじゃないのよ…
Q「なぜ腕を吊る必要があるの?」
A3「歩行の時ぶら下がって邪魔だから。」
→え?邪魔なら切っちゃえば?????????
と聞いたところ「いや、それはまたなんか違うっていうか…」
何が違うの??と聞き直したら
「可哀そう…です…」
あ???????????????
そして何で私が極悪人みたいな扱いされてんのよ???????
私から言わせれば、「邪魔」って言われる方がよっぽどしんどいけどな????
自分の体の一部を邪魔っていう表現はかわいそうじゃないの????????
生きながらにして否定されるって何よ…
ほんでもって邪魔って何よ…
これほんと悲しいけど、ご本人からも聞かれるのよ。
ここをご覧になってる利用者さん・患者さん、身に覚えのある方もいらっしゃるんじゃないかしら?
このような発想になる方々って、少なからず医療従事者からの影響が大きいのよ。
医療従事者の皆さま、ほんの些細な言動で患者さん・利用者さんは「この腕邪魔なんだ…」と感じてさせてしまうことがあるの。
よ~く、知っておいて頂戴ね。
大事なことだから何度でも言うけど、決して「邪魔」ではないのよ。
身体にあるもので邪魔で無駄なものなんてほとんどないの。(まあ私は脱毛したいしめっちゃ脱毛サロン探してるし、ムダ毛は一切私の身体から無くなって欲しくて願いまくってるんやけどね。)
そうそう。あっても意味がないと言われていた盲腸だって、数年前から免疫機能に役立っているという研究も出てきてたりするものね。
無駄なものなんかなくて、無駄だと思われるものって、きっとこちらがその存在意義を知らないだけなのよ。
そう、つまり「邪魔」扱いする人って無知を露呈してるだけなのよ。
セラピストならまじで恥をお知りになっていただければと、そう…思うの…
本当に邪魔ではないの。
むしろきちんと練習すれば、バランスの一助になるし、運動のバリエーションも増えるの。
一度、あなたも腕を縛って動いてみるといいと思うわ。
かなり動きにくいし、人によっては階段の上り下りの際にスピードが落ちたり恐怖を感じることだってあるから。
ここまで語れば聞こえてきそうな声が
「じゃ、脱臼に対してどのようにすればいいの?」ってことよね。
※これはあくまでも個人的な意見であり、絶対でないことは承知した上で読んで頂けると有難いわ。
生活場面からお応えするわね。
車いすを使用中の方であれば、圧倒的にクッションをお勧めするわ。
そう、このような感じよ。
ね?どことなくムカつくでしょう?この顔。
あ、違った。
大切なことって、まず肩関節を良肢位に置いておくことなの。
この写真で足りないところは、手の安定性が乏しいことかしらね。
出来れば、手先の方も安定性させあげるといいわ。
そうでないと、筋も活動しにくいのよ。
クッションの何がいいって、私的には、肩関節の状態がすぐに確認できることなの。もし、変な位置に手を置いて肩関節が良い位置に無ければ、すぐに修正もできるしね。
そして、ご本人の視界にも入りやすく、探さずとも視界のどこかに存在できるのよ。
これ勘違いしないで欲しいのが「よく見ろ」って言ってるわけではないの。
その存在を感じてて欲しいの。(このことに関しては、おいおい気が向いたら書くとするわね。いつになんだよって言わないでね???)
続いてリハビリ場面よね。
肩関節を動かすことも大切なんだけど、むやみやたらに動かしては危険よ。
きちんと、関節を安定させるのが優先なの。
その為には、肩関節周囲から介入するのか、腰部からか、手先の方からか、対象者によって異なるわ。自分の技量とその人の状態、そして与えられた時間を考慮しながら、どこから介入するかを見極めるといいわよ。
「実例を見てみたい!!」
というならば、ぜひ店にいらっしゃい。
完璧にはもちろんできないけど、提案やどのような現象が起きているか説明していけるわ。
長くなったわね。要するに、
「肩の亜脱臼=腕を吊る」の方程式はそろそろ、改め直した方がいいわよってことが言いたいの。
いつまでも先人たちの知恵に甘えてないで、自分たちで考えることをしましょうよ。
目の前で起こっている現象と本で読むことは少し違っているのかもしれないわ。
あなたのその目と体できちんと見定めなさいな。
さて、本日は勉強会よ。
私もせっせと勉強させて頂くとするわね。
ではよい週末を。




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