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装具について本気出して考えてみた
2019.10.05
リハビリの現場の様子を
ブログで紹介しています。
リハビリのことが
少しでも伝わると嬉しいです。

生活必需品以外は増税されたけど、すべてのものが生活必需品だから金払ってまで手に入れてんだけど???と増税に苛立っている田邊です。
ただ、皆さん!保育園は一定の年齢が無償だったり、さまざまなことで少し経済が圧迫されないように工夫されているらしいので、要チェックでっせ。
皆さんは、初めてのことってどうですかね?
楽しみですか?
怖いですか?
やってみたいと思いますか?
それとも、出来る限り避けたいと思いますか?
私自身は、怖いことが多く、出来る限り避けたいと感じているような気がしてます。
昨日来られた方も、田邊と同じように初めての事への恐怖心と避けたいという気持ちが強い方でした。
その方は片麻痺になってから、一度も装具を外して立ったり座ったり、歩いたりといった練習はしたことが無かったそうです。
装具。
私は装具を扱う時はとても慎重になります。
以前働いていた病院では早期から装具を作成し、ひたすら歩く練習を行うという方法を多くとっていました。(私の知る限りでは愛知県内の多くの病院でその方法が採用されています。)
昔とあるセラピストから質問をされました。
「田邊先生はなぜそんなに装具を使用しないの?なんでそんなに否定するの?」
その時の回答としては
「否定はしていません。ただ今使わなくても良いと思うので。」でした。
続けてそのセラピストは
「装具といっても一生装着し続けるわけではなくて、歩く感覚を身に着けたり、練習の為だから、必要に応じて外していけばいいんだよ?それにガイドラインにも載っているよ。」
と言いました。内容はごもっとも。
しかし、、つい、、反射的に、、ほんとに思わず、、
「え?この病院で早期に装具をつくって外している人を見たことが無い気がしますけど??ガイドラインは詳しくはありませんが、存じています。ただ、すべての人間があそこに当てはまるわけではありませんし、個々の能力に応じて変更すべし、というニュアンスで載っていたような…?」
そのセラピストは少し苛立った笑顔で
「そんなことないよ?最近は居ないかもしれないけど過去には居たよ。ガイドラインにはそう載っているかもしれないけど、まずはそこにあてはめないと。」
と言いました。
( ˘ω˘)ん?
ちょっと何言っているか分からないです状態になった為、そこで会話を強制終了させときました。
他のセラピスト(そこで3~4年働いてた子)に確認すると、
「装具外した人、、?ほとんどいませんけどね。私はあんまり知らないです~。」と話していました。
過去ってどんだけ前の話をしてんだよ。
はるか昔過ぎて神話化してるわ。
それに私自身、過去には興味なくて、”今”の状況を知りたかったんですけどね。
あ、話逸れました。
皆さんお察しの通り、装具って一度つけちゃうと中々外せないんです。
担当のセラピストがかなり装具のことを熟知して身体をきちんと評価でき、能力を把握であれば、良いと思うのです。また、コントロール出来なくても、考え続けて工夫し続ければいいと思うんです。
けど、そんなセラピストは実際、かなり少ない。
多くのセラピストはマニュアル・ガイドライン通りに事を進める為、新たなチャレンジをしていかない。
マニュアルやガイドラインが悪いと言っているわけではありません。
ある程度の道筋があると暗中模索しているセラピストの助けにはなるかもしれません。
しかし、それに固執してはいけない。
セラピストは独占的な業務で、個々のスキル(知識や技術)にその結果はかなり左右されると思っています。
それを他人が考えたパターンに他人をはめ込んでもいいのか疑問になります。
ガイドラインは否定していません。
ただ、その過度な扱い方に関しては否定します。
あれは決して絶対ではない。
どこにでもある安い言葉です。
当たり前すぎて口にするもの抵抗がありますが、敢えていうと、
人は一人一人異なります。
山崎まさよしではないけど、
育ってきた環境も違えば、どのようなパーソナリティの持ち主で、信仰で、体質で、嗜好で、人種であったとしても、同じ障がいで、同じ障害部位、範囲、量であったにしても、似たような症状が出ているにしても、ここでその感じ方や表現方法は様々です。
ガイドライン・マニュアルをなぞらえすぎると、
考えることが減ります。
私より下の子たちから
「ガイドラインに載ってるから。」
という発言を幾度となく耳にしました。
装具も同じく、過度に装具に頼りすぎてしまうと、自身で身体をコントロールする機会や身体に向き合う時間がほぼなくなっていきます。
最近の回復期は3か月程度で退院をせまられます。
そのため、まだ足の安定が無い状態で外の世界へ向かわなければならない人が多く出てきます。
そういった人たちには、確かに装具が必要になることもあります。
けど、そこがゴールじゃない。
もしかしたら、それ以上の機能が今後発揮されるかもしれない。
その可能性を残すのも、回復期セラピストの役目で使命だし、
それを受けて、退院後、最大限の機能改善に勤めるのは、我々のような保険外リハビリテーションの役目で使命だと思います。
だから、ほんの少しでいい。
ガイドラインに疑問を抱いて。
本当に”その装具”を着けて自宅に帰していいのか考えて。
昨日来られた体の大きな男性は、
まだ40代。足首の動きもあるのに、装具なしで一歩も足がでない。
ただその場に立ち尽くすだけ。
入浴と就寝時以外は装具をつけっぱなし。
脚は浮腫みやすく、筋も細くなっていました。
装具を着けると歩けるけど、
無いとその場に立ち尽くし、震えてる。
彼はそのことに気づいてすらなかった。
目を向けてもいなかった。
介入後は介助下ですが、装具なしで数m歩くことが出来ました。
その後、装具を着け歩いた時も、「軽い/歩きやすい」と気づきがありました。
装具を着けることは否定しません。
それがないと生活できない人もいる。
装具使用の人に関して、
「装具を着けたら歩ける」は確かに大事。
けど、
「装具を着けたら、もっと歩きやすい。」
という感覚のほうが大切だと思います。
パスカルの有名な言葉で
「人は考える葦である」というのがあります。
葦というのは、細く弱い植物です。
昨日の彼はまさに、私からすれば、”弱く”見えた。
人は考える葦です。
考えなくなると、ただの葦です。
廃れていきます。
人間の武器は”道具”ではなく、
”道具を扱える思考力”だと思います。
セラピストも、患者さん自身も、しっかり考えて悩んでリハビリをしていきましょうね。(勿論私も。)
※くどいようですが、、
私はガイドラインも装具も否定はしていません。
ただ、「どちらもあてがえばいい、というものではない。」と言いだけですからねえ。。。
10月なのに夏日とかほんまあり得へんわ。
今日も脳リハ名古屋にしっかり引きこもろう。(涼しい)




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