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168.前頭葉の病気における障害とリハビリ
2017.10.27
リハビリの現場の様子を
ブログで紹介しています。
リハビリのことが
少しでも伝わると嬉しいです。
前頭葉とは、脳の中でも前部分にあり、大切な神経が多く通っている部分です。 もし仮に、病気で前頭葉に損傷を受けた場合、どのような障害が出るのか、また、リハビリはどのよう になるのでしょうか。
■前頭葉は脳の司令塔
脳の中でも人間らしさを維持している部分や、日頃行っている行動、体を動かす感覚部分が多く存 在する前頭葉ですが、損傷してしまうと多くの障害が発生します。 前頭連合野という部分を損傷した場合、思考力や判断力が低下したり、意欲や創造性が薄くなっ たりしてしまいます。 このほかにも、他人に興味がなくなる、人格が変わるというようなこともみられるのです。
患者さんにその意識がなくても、周りから見ると異常ととられるような行動をしてしまうこともあり、脳 の機能に障害が出ているだけなのに人間性を疑われるような悲しい出来事につながることもありま
す。
高次運動野を損傷した場合、日頃慣れた行動が難しくなり、自分から行動することをしなくなってし まったり、言葉を発するのが難しくなってしまうケースがみられるでしょう。 一次運動野を損傷した場合は、筋肉がつっぱったり、ずっと緊張状態になってしまい、体の麻痺が
みられる場合があります。
■リハビリを行うには?
まずリハビリを行う前に、脳を含めた全体の症状が安定するまで治療や経過観察を行う必要があり ます。 先に示した通り、前頭葉には脳の中でも大事な神経が数多く通っています。 無理なリハビリで新たに損傷を与えてしまっては本末転倒なので、しっかり体を整えましょう。 意識があまりないような状態の場合には、周りから声をかけたり手を握ったりして外から脳へ感覚刺 激を与える、ベッドや椅子の上での姿勢を整えるなどして二次障害を予防します。
意識があれば、脳や体の状態をみながら急性期リハビリを行うことになるでしょう。
寝たきり状態で関節や筋肉が硬直してしまうことに気をつけなくてはならないため、ストレッチを行い ます。 また、脳の中でも前頭葉への障害の場合、人と交流する際に注意力が散漫になったり、記憶力が 低下したりするなどの障害が見えてくることもあります。 症状の見極めも含めたリハビリを検討するべきでしょう。
脳を含めた全身状態が安定したら、回復期のリハビリに少しずつ移行します。 前頭葉の損傷で特徴的なのは、認知機能や異常行動へのリハビリがあることです。 認知機能であれば、簡単な問題から少しずつ難しい問題に取り組むことで、思考力の回復を目指 し、異常行動では行動療法と呼ばれる方法を使い少しずつ心を安定させていくことになります。
前頭葉は病気でなくても、事故などで怪我をしやすい部分です。 突然人が変わってしまったような症状が出てしまう人もいるため、家族や友人の理解が得られない ばかりに悲しい思いをすることもあるでしょう。 しかし、リハビリによって少しずつ回復させていくこともできるので、諦めずに治療とリハビリを進めてい くことが大切です。
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