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脳の可塑性ってなに?
2025.11.02
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脳の可塑性ってなに?
リハビリでよく耳にする「脳の可塑性(かそせい)」という言葉。
これは「脳が変化する力」を意味します。
かつては「脳の神経細胞は生まれたら再生しない」と考えられていましたが、今では脳は生涯を通して変化・再編成できる臓器であることが明らかになっています。
目次
脳の可塑性とは?
「可塑性」とは、もともと粘土のように形を変えられる性質を指す言葉です。
脳における可塑性とは、経験や学習、外的刺激によって神経回路のつながり方が変化する能力のことをいいます。
つまり、脳は“固定された器官”ではなく、“使い方次第で変わる器官”なのです。
どんな仕組みで変化するのか
脳の可塑性は、主に次のようなメカニズムで起こります。
| 種類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| シナプス可塑性 | 神経細胞同士の接続(シナプス)が強化・弱化する | 繰り返し使う動きが上達する |
| 皮質再編成 | 損傷部位の働きを他の領域が肩代わりする | 麻痺側の運動を非損傷側の脳がサポート |
| 神経新生 | 新しい神経細胞が生まれる(主に海馬など) | 学習・記憶の改善 |
| 軸索伸長 | 神経の枝が新たに伸び、他の細胞とつながる | 損傷領域を迂回して情報伝達が再構築される |
このように、脳は日々「試行錯誤」しながら最適な経路を探し続けています。
その変化を引き出すのが、まさにリハビリテーションの役割です。
脳卒中後の可塑的変化
脳卒中(脳梗塞・脳出血)などで神経細胞が損傷すると、失われた機能をそのままにしておくと、使われない神経回路が弱まっていきます。
しかし、適切な刺激を与えることで脳は別の経路を使って再び「動き」を再構築しようとします。これを「代償性再編成」といいます。
例を挙げると、右手が麻痺した場合、左脳の運動野が損傷しても、周囲の領域や右脳側がその動作の一部を代わりに担うことがあります。
これが「可塑的変化による回復」の実際です。
リハビリと可塑性の関係
リハビリは、脳の可塑性を最大限に引き出す「環境づくり」です。
動きを練習するだけでなく、脳に“これは必要な動きだ”と認識させることが重要になります。
このとき、次の3要素が特に大切です。
| 要素 | 内容 | 具体的なポイント |
|---|---|---|
| 反復性 | 同じ動きを何度も繰り返す | 「できた」を積み重ねて神経回路を固定化 |
| 意図性 | 自ら「動かそう」と意識する | 他動ではなく、自発的な動作が鍵 |
| 意味づけ | 行為に目的や感情が伴う | 「飲みたい」「手を伸ばしたい」が脳を動かす |
ただの「動かす練習」と「目的をもって動かす練習」では、脳の反応がまったく違います。
後者こそが、神経再編を促すトリガーになります。
回復を促すためにできること
脳の可塑性は、日常生活の中でも十分に刺激できます。
- 反復する:日常動作を繰り返すことで、使う神経が強化される
- 意識して感じる:触覚・音・動きを丁寧に感じ取る
- 楽しみを伴わせる:好きな音楽や会話を通じて意欲を高める
- 環境を整える:挑戦しやすい位置や高さに物を配置する
これらは一見ささいなことですが、脳にとってはすべて「学習」です。
動かすこと=情報を送り続けること。
脳はそれを頼りに、再び動きを再設計していきます。
まとめ
脳の可塑性とは、脳が“変わる力”のこと。
リハビリの本質は、この力を信じて引き出すことにあります。
損なわれた神経があっても、脳は新しい道をつくり直すことができます。
その変化のきっかけは、「動かすこと」「感じること」「続けること」。
今日の小さな一歩が、明日の脳を形づくっています。
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