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痙縮とは?ガチガチになるその正体
2025.07.08
リハビリの現場の様子を
ブログで紹介しています。
リハビリのことが
少しでも伝わると嬉しいです。
痙縮(けいしゅく)って何?
「筋肉がガチガチに固まって動かない」「力が入って抜けない」。
脳卒中や脊髄損傷の後遺症として、多くの方が経験するこの状態、それが“痙縮”です。
痙縮とは、脳や脊髄の損傷によって起こる筋緊張の異常。自分の意思とは関係なく、筋肉が勝手に収縮しつづけてしまう状態を指します。
痙縮の原因とメカニズム
私たちの体は、本来「動かすための命令(運動指令)」と「ブレーキをかける命令(抑制)」がバランスよく働いています。
しかし、脳や脊髄に障害が起こると、この抑制の機能が失われ、筋肉を緩めるブレーキが効かなくなることがあります。結果、筋肉が常に収縮し続け、“ガチガチ”になるのです。
特に上位運動ニューロンが障害された場合、筋の過剰反射や腱反射の亢進が生じ、痙縮が目立ってきます。
痙縮=力が強い、ではない
「痙縮があるから、この人は力が強い」というのは大きな誤解です。
痙縮は“異常な反射”であって、自分の意思で発揮する力(随意運動)とは全く別物です。むしろ痙縮が強い方ほど、自分の思い通りに体を動かせないことが多いのです。
似て非なる「拘縮」との違い
- 痙縮:神経の問題による筋の過活動(主に中枢神経由来)
- 拘縮:関節や筋肉自体の柔軟性低下(構造的な問題)
痙縮と拘縮は似ていますが、対応やリハビリの視点がまったく異なります。
痙縮は悪者なの?
「痙縮はすべて悪」「緩めるべきもの」と考えるのも実は一面的です。
痙縮があることで、座位保持や姿勢保持を“かろうじて”支えている場合もあるからです。完全に痙縮を取ってしまうと、逆に座れなくなる・立てなくなることもあります。
つまり、痙縮への対応は「一律に緩める」のではなく、その人の目的と動作の中で“必要な痙縮”と“邪魔な痙縮”を見極めることが大切です。
リハビリでの対応
痙縮に対しては、以下のようなアプローチが用いられます:
- 姿勢調整やポジショニング
- 持続的なストレッチ
- 感覚刺激の調整(温熱・触覚など)
- ボツリヌス療法などの医療的手段
どれも、「その人にとって最適なコントロール」を目指すための手段です。
まとめ:痙縮の“正体”と向き合う
痙縮は、「こわばり」や「ガチガチ」といった言葉では説明しきれない、神経系の複雑な反応です。
ただ固いから悪い、力が入っているから強い、ではありません。
今ある“こわばり”の中に、必要な支えと、改善のヒントがあるかもしれません。
あなた自身の感覚を大切にしながら、少しずつ一緒に向き合っていきましょう。
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