ブログ

片麻痺のリハビリ初期にやること

—動かすより前に、大切な“はじめの一歩”—

突然「片麻痺です」と言われたとき、頭が真っ白になった方も多いと思います。
「これからどうなるの?」「ちゃんと歩けるようになるのかな…」
そんな不安な気持ちに、少しでも光が差すように。
今回は、リハビリの“初期”に取り組む大事なことについて、わかりやすく、でもちょっぴり専門的にもお話しします。

1. 【自己認知】自分の体の“今”を知ること

リハビリの初期で一番大事なことは、「自分の今の状態を知ること」です。これは“自己認知(self-recognition)”と呼ばれるリハビリの大切なプロセス。

「どこが動くのか?」「動かそうとしてどんな感覚があるのか?」
そういった情報を、脳と体がもう一度つながっていくように確認していきます。

たとえば「右手を上げよう」として、実際に上がらなくても、“上げようとした”意識がまず大切。
これは“随意運動”と言われ、自分の意志で体を動かす回路の再起動のようなものです。

2. 【座位保持】座れることは、生活の再スタート

ベッドから起きて、“座れる”こと。これはリハビリ初期でとても大切な目標です。専門用語では“座位保持”といいます。

座るには重心のコントロール(バランス)体幹の安定性両足の支持感覚など、たくさんの要素が関わります。
このとき私たちは、抗重力筋と呼ばれる、体を支える筋肉たちを使っています。

3. 【感覚入力】動かす前に、“感じる”ことから

リハビリというと“動かす”ことに注目しがちですが、実はその前に大切なのが“感覚入力(sensory input)”です。

これらはすべて、「脳が体を感じているか?」の確認です。特に脳卒中後は、深部感覚(しんぶかんかく)という“関節の位置や動きを感じる感覚”が鈍くなることがあります。

4. 【環境調整】身体を動かしやすくする“土台”を整える

リハビリ初期では、「どう動くか?」よりも「どういう状態なら動きやすいか?」を整えることがポイントです。
これは環境調整(positioningやsetup)と呼ばれます。

環境は、「できる・できない」を左右するほど大きな要因。
無理に動こうとする前に、「自分が一番ラクに感じる姿勢」を見つけていきましょう。

5. 【成功体験】“できた!”という感覚を脳に刻む

最後に、これが一番大切かもしれません。それは、“成功体験”です。

たとえ小さなことでも、それらはすべて、脳にとっての“再学習のきっかけ”になります。
神経の世界では、“使った神経が強くなる”という性質(可塑性=プラスティシティ)があります。

さいごに

片麻痺のリハビリは、ゴールが「治す」だけではありません。
“今ある体と、どう仲良くなっていくか”を探す旅のようなもの。

今日の1ミリの変化を、明日の自分にプレゼントするような感覚で——
あなたのペースで、歩き始めてください。
わたしたちは、その歩みに寄り添っていきます。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る
052-990-6905
もくじ