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94. 脳梗塞における再生医療

2017.08.11

脳梗塞にかかり、その症状が改善しても、言語障害や体の麻痺のような後遺症が残ってしまう場合があ ります。医療技術が進む中でも、生活に車いすが手放せない方や、寝たきりの生活になってしまう患者 さんもまだ多く、不安な方も多いでしょう。しかし近年、脳梗塞の後遺症を治癒する新技術の開発に光が
差し始めているのです。
■脳梗塞の後遺症に効く最新技術 脳梗塞後遺症への新しい治療法のひとつが、骨髄間質細胞と呼ばれる細胞を使った再生医療です。こ の技術は一体どのような仕組みで治療を進めるのでしょうか。
■可能性を秘める骨髄間質細胞 骨の細胞がなぜ脳梗塞に効くのか疑問に思う方もいるかもしれません。 まずは骨髄間質細胞について解説します。
はじめに骨髄とは、骨の内部を満たすゼリー状の組織です。骨髄幹細胞はそのゼリー状組織の細胞の 一種であり、主に骨や軟骨、脂肪、筋肉などに変化することができます。iPS細胞やES細胞、幹細胞とい う言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。骨髄間質細胞は幹細胞のうちのひとつであり、PS細
胞やES細胞と同じように再生医療に利用される細胞です。 これを使い、脳梗塞後遺症を治療していく研究が今進んでいます。
■骨髄間質細胞を使うメリット 数ある細胞の中で、なぜ骨髄間質細胞に注目が集まっているのでしょうか。 それには以下のようなメリットが存在するからです。
・患者さん自身の細胞を使うため、副作用がほぼ出ない ・骨髄から簡単に採取することができるので準備が早い ・患者さん自身から採取した細胞なので生命論理的にも問題ない
これらの観点から、脳梗塞以外の再生医療技術にも活発に研究が進められています。
■研究を進める上での壁 技術確立に向かい進められている再生医療ですが、まだ壁は残っています。まず神経そのものを再生さ せることがまだ難しいと考えられています。なぜなら神経はネットワークをそれぞれ築いていて、失われた 部分をただ再生させるだけでなくそのネットワークを回復させることも目指さなければなりません。脳梗塞 などで失われたネットワークを完全回復させるのは難易度が高く、技術確立にはまだ臨床試験が足りて いないという状況です。
また原材料が生きた細胞であることも難しさの一つです。普通の医薬品同様に固定された物質ではなく、 個体差のあるものの集合体である細胞を使用しているとなると、医薬品の是非を承認する機構が認める ことは非常に困難と言えるでしょう。
脳梗塞後遺症には今日まであらゆる治療法、技術研究がなされてきました。 動物実験で有効と確認されても、臨床試験での結果を出すことが難しいようです。 再生医療はこれからを担う最新治療として多くの研究者、医者、患者さんから期待されている領域です。 発展が進めば、脳梗塞の後遺症が消える時代がくるかもしれません。

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