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心を亡くしそうなあなたへ。
2019.12.27
リハビリの現場の様子を
ブログで紹介しています。
リハビリのことが
少しでも伝わると嬉しいです。
誰が何と言おうと、私は私の世界が私の大好きな物たちで溢れるように生き進めていくと決めている田邊です。
よくいらっしゃるのですが、
「忙しい人」。
例えば、デイサービスに週4で行き、訪問リハビリを週2で受けて、なんてやってると、1日しか隙間がなく、その1日も疲労からただぐったりして過ごしているという方がいらっしゃいます。(結構ざらにいるんですよ。)
昔ベッキーが
「忙しいって”心を亡くす”と書くでしょ?だから私は忙しいって使わないようにしてる。心を亡くさないように。」
と話してました。
「忙しい」
私自身、昔は忙しなく、大して許容量がないのに、悲しい出来事全部を無視して、力の続く限り動いていました。
ある日突然、心の糸がぷつんと切れる音が聞こえました。
その瞬間、私は心を亡くしました。
何を食べても美味しくなく、何をしても楽しくなく、何を見ても感動せず、疲れているのに笑って、笑ってるのに心の中は乾いていて、急に世界が歪み出しました。
私の心がどこか遠くに出かけて行った感覚でした。
その後、約1年もの間は勉強会に参加せず、仕事は最低限にし、仕事・勉強会に関わる人物達との関わりを一切断ち、ただただ自分の時間を過ごし季節の移り変わりやその時々の行事や刹那を味わうことに勤しみました。
そして、ただただ、人間らしいごく当たり前の日常を過ごしました。
きっと私にとってはこれがリハビリだったのでしょう。
今まで会えずにいた友人と食事をしたり、
行くことが叶わなかった土地に出かけたり、
したかったけど出来なかったことに挑戦してみたり、
何もせずただ点いているテレビをぼーっと眺め日曜の夕暮れを感じたりした。
春にはお花見をし、
夏には花火を見て、
秋には紅葉狩りをし、
冬には猫と一緒にこたつで丸くなった。
全て当たり前のようで、全てそれまでは出来ていなかったことでした。
そうして当たり前の日常を丁寧に過ごすうちに私の心は還ってきました。
どこに行っていたのか、1年かかりました。
1年”も”かかりました。
一度心が疲労すると、回復にはその何十倍もの時間を要します。
勉強会を断つと決めた当初、とても怖かったのを覚えています。
「皆についていけなくなったらどうしよう」
「置いていかれる」
「もう二度と戻れないのかな」
「腕が落ちないか」
「居場所がなくなる」
「私から仕事をとったら何が残るの?」など。
そんな時、日本語の通じにくい外国の友人と出会う機会がありました。
彼と私は、英語と日本を使いながらお互い拙い会話をするのですが、いつも彼は笑顔で”楽しい時間だ!”ということを全身で伝えてくれます。
彼と食事をしている時、近況を尋ねられたので「自分が勉強会から距離を置いている」こと、「私から仕事を取ると何が残るの?」「個性がないから資格を取ったのに、その資格すら今は使っていない」など様々な不安を話しました。
彼は私に言いました。
「君は君で、その存在だけでいいよ。」
よくある言葉かもしれないけど、当時の私にはとても新鮮な言葉でした。
私の知識や衣服や見た目、コミュニケーション能力を好きに・大切に思っているわけではなく、
「私の存在」を大切に・好きでいてくれている。
こんな肯定のされ方を他人からされたことが無かったので、言葉を失い、思わず目線を逸らしました。
すると彼は続けて、私の瞳をまっすぐ見つめ手を取り
「あいら?僕がなぜイタリアから君に会いに来ていると思う?君のスペックには興味がないよ。君に会いに来たんだよ。君の感じている日々の出来事や今この瞬間に起こる出来事を一緒に楽しみに来てるんだよ。だから何も心配要らない、大丈夫だよ。君はそのままで十分素晴らしいから、君は君のままで居ればいいよ。また必ず会いに来るからね。」と抱きしめてくれました。
私は言葉を失い、それは、とても恥ずかしかったけど、
涙が出るほど嬉しかったことを覚えています。
”忙しさ”とは、そんな『基本的』な、しかし、とても重要なことを置き去りにしてしまうようです。
よくこのような言葉があります。
「あなたは誰かの大切な存在」
これもそうなのですが、私としては
「あなたは誰かの大切な人じゃなくても、大切で尊い存在。」
だと思っています。
誰かがいるから価値があるわけでなく、
あなたが持っているものによってあなたの価値が上がるでもなく、
あなたの栄光があなたの価値を上げるわけでなく、
あなたの失敗があなたの価値を下げるわけでもなく、
あなたの存在そのものが大切で価値があるんです。
今、様々なことに不安を抱いているあなた。
今、ぶつけようのない怒りを感じているあなた。
過去から抜け出せず、悲しみの中にいるあなた。
どこにも進めない、成長できていない、八方ふさがりと憤っているあなた。
やりたい事/出来る事/しなくてはならない事/できない事の渦で迷い溺れ、途方に暮れているあなた。
全部全部、忘れちゃって、そして自分自身を許してあげて下さい。
「忘れる」も「心」「亡くす」が共存しています。
「亡くす」という字は、亡くなられた方にお供え物をしている姿がその字の体となっています。
決して消去し葬り去るのでなく、あくまでも弔うのです。
「忘れる」はきっと、「心を亡くす」訳でなく「心から亡くす」のだと思います。
心にこびり付いてる嫌な感情を、全部全部、丁寧に弔ってあげてください。
年末年始くらいは忘れてください。
皆さま、ぜひ大切な人とやんごとなき時間を安全にお過ごしください。
さて、そろそろ地球号が1年間の太陽の路を終えようとしていますね。
皆さま安全にご乗船いただき有難うございました。
また来年、太陽の路をご一緒できることを楽しみにしています。
それでは、良いお年を。
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