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佐藤恵里ちゃん ~外傷性脳挫傷/左麻痺~

2025.01.31

リハビリの現場の様子を
ブログで紹介しています。
リハビリのことが
少しでも伝わると嬉しいです。

肩にカバンをかけると 

必ずと言っていいほどずり落ちてくるので 

筋トレを始めた経緯があるのですが、 

全然落ちてくるし、何なら

悪化してることに気づいた田邊です。 

 

ゴツくなればなるほど、

なで肩になるんだネ… 

 

もちろん全員が全員じゃないし、 

人によって変えるから、 

これから語る内容は消して決して全員には 

当てはまらないことだけは 

ご承知おきを…。

 

当施設の看板娘である、 

恵里ちゃんっているんです。 

 

私と同い年で、彼女は10年以上前に 

完全に不運な交通事故によって 

脳に激しい損傷を受けたわ。 

 

『外傷性脳挫傷』 

と診断書には書いてあったわ。 

 

不運といえば 

失礼な言い方かもしれないけど、 

本当に不運でしかなかったと思う。 

 

彼女と出会ったのは、 

まだ私たちが伏見駅の近くで 

やってたときよ。 

 

まだおかっちも入社前。 

そう思ったら、恵理里ちゃんって 

おかっちより古株なんだね。 

古参も古参。 

 

彼女は事故に遭ってから 

100日間意識がなかったそうよ。 

 

意識が戻ってからは 

痛みとの闘いで痛みや恐怖、 

様々な困難と出会ったわ。 

 

でも彼女は「生きる」ことに 

貪欲な女。 

 

座ること、 

立つこと、 

寝返ること、 

歩くこと。 

 

様々なことに対して 

全てに恐怖心があったわあったわ。 

 

前髪でがおでこに当たることすら、 

彼女の痛みとなり 

はじめに会ったときは 

前髪がなかったわよ。 

 

随分攻めたファッションだな 

っていうのが第一印象よ。 

 

彼女は痛みと戦ったり 

時に逃げたりしながら 

賢明に彼女なりに向き合ったわ。 

 

生活する中で、 

車いすで下り坂を降りているとき、 

真正面から下り坂に差し掛かったもんだから、 

顔面から落ちたことこともあったわ。 

 

そういった経験があるせいか、 

彼女は前に向かう動作は非常に苦手よ。 

 

いまだに恐怖心が強いわ。 

はじめのころなんかは、 

ベットに座ることすらできなかった。 

 

怖い 

と大きな声で叫び、 

誰かが近くにいないと転落しそうで 

本当に危なかった。 

 

寝返りだって、 

一応彼女は左側がま麻痺側なんだけど、 

右側に寝返ることが 

怖くて仕方なかった。 

 

右側へ寝返るとき、 

何度も恐怖で叫んだわ。 

 

恵里ちゃんが

何度も叫ぶもんだから 

 

バッカやろうが!!

私(田邊)が絶対落とさねえよ!!!! 

黙ってついてこいよ!!! 

 

と私も叫んで、 

 

二人で夜な夜な 

騒がしいリハビリをしていたわ。

懐い。

 

お母さんはそれを暖かい眼で見守り、 

酷いときには微笑んでいたわ。 

 

あの状況はとても助かったわ。 

暴力でしかないこと 

大事な愛娘に浴びせているのに、 

微笑んでるの。 

 

有難いわよね。 

こちらの気持ちや意図を 

しっかり汲んでくれている。 

 

だから、あたしも恵里ちゃんも 

必死にそれに応えたかったわ。 

 

少しずつ一人で座れるようになったり、 

全介助で立ってたのに、 

今では素人同然の私の右腕と一緒に 

車いすからベッドへ移ることができるわ。 

 

私がいない間に 

二人でこっそり車いすから 

ベッドへ座ってこちらを見ながら 

にやにやと待っていた時には 

本当にうれしかった。 

 

専門家じゃなくても 

彼女と手を取り一緒に 

動いてくれる存在が 

一人でも増えたことが 

本当にうれしかった。 

 

これまでの間に、 

色んな先生に彼女を見て頂いた。 

 

彼女は 

絶対に結果を残す 

と毎回意気込み、 

そして毎回違う彼女を 

見せてくれているわ。 

 

彼女が成長するたび、 

彼女の乗り越える力には驚く。 

 

そんな彼女との最近のリハビリ中に、 

久々に彼女が 

「怖い無理」 

と大きな声で叫んでいた。 

 

彼女の前に動く動作の恐怖心は 

やっぱり根強い。 

 

そりゃそうよ。 

手も足も出ない状態で 

顔面がコンクリートに

ぶつかるのだもの。 

 

そんなことを匂わす動作なんて 

恐怖でしかないわよ。 

 

叫んでも、 

 

今乗り越えなきゃ。 

今できてるし大丈夫。 

 

と励ました。 

それでも彼女は 

 

「怖い無理」 

 

と言い続けた。 

 

じゃあやめよ?

もうヤメヤメ。

いいよ恵里ちゃんがやらないなら。 

私だって挑戦しない。 

もういい。 

 

と言い、車いすへ腰かけた。 

 

車いすに座ってから 

あれだけ怖がって体を傾けていた割には、 

左足はいつもより柔らかく 

軽かった。 

 

じゃあもう

終わりだからいいよ。 

また来週ね。 

今日はもうやらないんっしょ? 

 

というと、 

 

苦悶の表情を浮かべ 

やる😟

じゃやりましょう。 

ということで、 

再開したわ。 

 

さっきまで怖かった場所へ 

彼女は果敢に挑戦してくれたわ。 

 

そしてとても上手だったわ。 

 

あたしのやれることなんて 

限られているわ。 

 

あたしなんかきっと

彼女の苦労の1/100も 

知らないわ。 

 

そんなあたしなのに、 

彼女は一緒に挑戦してくれて、 

さらには私が 

予想した以上の結果を 

残してくれている。 

 

きっとあたしじゃなくて、 

もっと上手な先生なら、 

恵里ちゃんの恐怖心に 

優しく寄り添うのだと思うわ。 

 

あたしはきっと 

彼女に寄り添えていないわ。 

 

あたしはきっと 

彼女に向き合っている。

 

彼女もそんなあたしにむかって 

まっすぐ向き合ってくれている。 

 

そして一緒に肩並べて 

挑戦してくれる。 

 

とても有難いし、 

これがうちの看板娘よ。 

 

こんな長いこと付き合ってても、 

どんどん新しい、すごい恵里ちゃんを 

見せてくれているわ。 

 

あたしももっと頑張らないと。 

彼女ともっと肩並べるように。 

 

そんじゃあ! 

今日はここまで!!

 

最後にかわいい

恵里ちゃんデス!!

 

また書きまっす!!!! 

 

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